栗原竜一理事長に聞く! 激動の1年を振り返って

栗原竜一理事長に聞く! 激動の1年を振り返って

栗原理事長の画像

新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受けて、行動変容を余儀なくされ、人々の生活様式が一変した2020年度がまもなく終わります。この“激動の1年”を振り返るため、東京桜十字の理事長、栗原竜一医師に話を伺いました。
新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、この1年はいつもとはまったく違う1年だったかと思います。まずは、1年間お疲れさまでした。この激動の1年を振り返ってみて、率直なご感想をお聞かせいただけますか?
2019年の冬、中国の武漢から原因不明の肺炎が報告された時には、日本への影響は限定的だと思っていましたが、翌年1月15日に日本国内で初の陽性者が報告され、加速度的に増えてゆき、同年4月7日には1度目の緊急事態宣言が発令される事態となりました。
4月13日には、厚生労働省や健康保険組合から健康診断の自粛を要請する通達が出され、東京桜十字のクリニックでは、外来診療を実施しているクリニックを除き、4つのクリニックを閉鎖することにしました。診療を継続したクリニックでは必要最低限の人数体制でお互いに協力し合い、閉鎖したクリニックにおいても定期的に情報交換の場を設けるなど後方支援をしていた経緯があります。
高齢者の入居者さまに対応するホスピタルメントでは、休日や夜間など24時間いつでも対応できるよう、こちらでも連携を図ることにしました。加えて、クラスターの発生などを防ぐことができたのは、支配人をはじめ現場のスタッフの努力と連携で頑張ってきた成果だと思います。
大変ではありましたが、クラスターの発生などを防ぎ、対応できたことに手応えを感じる1年だったと思います。
施設内感染を防ぐ取り組みを色々とされたのではないかと思います。
具体的な対策を教えていただけますか?
アクリルボードを設置して飛沫感染防止対策を施した受付城山ガーデン桜十字クリニックでは、外来患者さまに比べ、健康診断の受診者さまの割合が8割程度で、健康診断の受診者さまの感染を防止することが絶対的な優先事項でした。
空気清浄機を設置し、間隔を開けて座れるよう工夫した待ち合いスペース
健康診断の受診者さまがいない時間帯に患者さまを誘導し、発熱者への接触人数を最小限にするよう心掛けていました。診察を行い、必要性があればCT検査室に案内、撮影も含めて1人の医師が対応し、新型コロナウイルス感染症を疑う肺炎像があれば、保健所に連絡して対応をしてもらいました。
新型コロナウイルス感染症のワクチン予防接種が昨今、医療従事者から順に始まっています。東京桜十字としては、どのような方針を検討されていますか?
新型コロナウイルス感染症のワクチンについては、充分に理解していただいた上で、最終的にはご自身で接種の判断をしていただきたいと思います。その情報源として、信頼のおける厚生労働省のホームページや、東京桜十字の産業医、石川雄一医師が産業医契約先の企業さまを対象に実施したオンライン・セミナーの動画などが非常に参考になるかと思います。

また、今後、複数回接種する必要性も考えられ、大きな病院のみならず、クリニックやホスピタルメントなどの介護施設でも実施していかなければならない状況も起こりうることから、東京桜十字の各部署の連携を強化し、重篤な副反応に対応する薬品や機材を整備しているところです。

コロナ禍の生活が続く中、ストレスや健康上の不安を抱えている職員もいるかと思います。どのように対処すれば良いかアドバイスをお願いできますか?
風邪などの急性疾患でクリニックを受診される患者さまは減少している状況ではありますが、高血圧・高脂血症・糖尿病などの慢性疾患を抱える患者さまは、これらの疾患が悪化することもありうるので、きちんと医療機関にかかることが重要だと思います。電話診療で薬の処方などもできますので、主治医に相談していただき、対応をする必要があります。
また、今は花粉症の時期でもあります。昨年の2倍程度の飛散量と言われており、仕事の能率が落ちないよう、処方薬や市販薬できちんと予防していくことが効果的です。ある程度まとまった期間の薬を処方することも可能ですので、医師に相談して乗り切るよう心掛けてみてください。
最後に、新型コロナウイルス感染症の収束はまだまだ見えない状況ではありますが、次なる1年に向けて一言いただけますか?
日本大学医学部学部長に昨年就任された後藤田卓志医師が、イギリスの政治家、ウィンストン・チャーチルの言葉、「凧が一番高く上がるのは、風に向かっている時である。風に流されている時ではない」を引用して就任の挨拶をされていました。この言葉のように、今、一番大変な時期かもしれませんが、オール桜十字でこの難局を乗り切り、東京桜十字のさらなる飛躍の糧になるよう頑張っていきたいと思います。チャーチルの名言

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