2025年6月、熊本にある桜十字病院にて新たな心臓リハビリテーションの取り組みがスタートしました。
その名も「心大血管リハビリテーション-Rehabeat(リハビート)」。
現在は入院中の患者さまを対象にリハビリを実施しており、秋からの外来診療リハビリや検査の開始に向けて本格始動を目指しています。

Rehabeat Well-being Concept

「リハビート」は、“rehabilitation(回復)”と、“beat(鼓動・リズム・拍動)”をかけ合わせた言葉です。
心臓が刻む一拍一拍は、まさに人生そのもの。その鼓動を整えることは、生きる力を取り戻すことにほかなりません。桜十字では、専門チームがあなたに寄り添い、こころが軽くなり、体が自然と動き出す――そんなポジティブな再スタートをサポートします。
「こころ、はずむ。からだ、ととのう。」この場所から、あなたの“人生のリズム”が再び動きはじめます。
Rehabeat 統括医 伊藤 彰彦 先生からのメッセージ

超高齢社会を迎えた現代、心不全患者が年々増加するなか、循環器医療における心リハの重要性はますます高まっています。
こうした状況を受け、この「Rehabeat(リハビート)」プロジェクトをスタートさせました。
リハビートでは、医学的評価に基づく運動療法に加え、患者教育やカウンセリング、疾患管理などを組み合わせた、包括的かつ長期的な支援をめざしています。
入院から退院後まで、患者さまが再発を防ぎながら、自信を持って生活を再スタートできるように支えていくことが私たちの目標です。
新たに結成された多職種のチームスタッフが力を合わせ、患者さん一人ひとりに寄り添いながら、「その人らしい日常」を取り戻すお手伝いをしていきたいと思っています。
桜十字病院 Rehabeatの特徴
心臓リハビリテーション指導士7名在籍
桜十字病院では、統括医の伊藤先生を含む7名の心臓リハビリテーション指導士が在籍しており、これは全国的に見ても非常に珍しく、私たちの大きな強みです。さらに循環器内科の専門医も3名体制で、医学的にも安心できるサポート体制が整っています。
リハビートのスタートにあたっては、看護師、理学療法士、臨床検査技師、臨床工学技士、社会福祉士、薬剤師、管理栄養士といった多職種が新たなチームを結成し、部署の垣根を越えて連携しています。
「よりよい心リハを届けたい」という思いを胸に、チームメンバーが力を合わせて日々取り組んでいます。

CPXからはじまる、Rehabeatの心リハ環境
心臓リハビリの第一歩となるのが、CPX(心肺運動負荷試験)です。運動中の心拍や呼吸などを測定することで、患者さまそれぞれに最適な運動強度を見極め、安全で効果的なリハビリ計画につなげています。
桜十字病院では、一般的なアップライト型エルゴメーターに加えて、熊本県内ではまだ導入例の少ない「リカンベント型エルゴメーター」も完備。背もたれ付きで安定性が高く、腰や膝に負担がかかりにくいため、高齢の方や体力に不安のある方にも安心して使用いただけます。
幅広い患者さまに対応できるこの体制は、リハビートならではの強みのひとつです。

CPX検査後のリハビリでは、エルゴメーターでの有酸素運動とトレーニングマシン等によるレジスタンストレーニングを実施します。この度リハビートでは、高齢者や心疾患のある方でも安全に使える設計が世界中で評価されている、空圧式筋力トレーニングマシン「HUR(フー)」を導入しました。身体機能の回復を支えながら、再発予防や生活の質の向上をめざすトレーニングに適しており、心臓への負担に配慮しながら、日常生活に必要な能力の回復をサポートします。
